テニスラケットの変えるタイミングについて、現役のテニスコーチが解説します。

2年たったら替え時だよって言われたんだけど、今のラケットお気に入りなんだよね…

ラケットに寿命ってあるの?芯がなくなってるって言われたんだけど
こうした悩みを持つ方は、非常に多くいます。テニスラケットの寿命や2年で替え時と言われる真相について解説した後、テニスラケットを変えるタイミングを6パターンお伝えしますので、テニスラケットを変えるかどうか迷っている方は、ぜひご参考ください。
目次
テニスラケットの寿命
結論から言いますと、ラケットが破損したりヒビなどが入らない限り、テニスラケットに明確な寿命はありません。
打球時に芯がなくなったらラケットの寿命と言われたという方も多いかと思いますが、まず、テニスラケット自体に「芯」という部分は存在しません。
テニスラケットはカーボン繊維を樹脂で結合させてフレームを形成し作られていきますが、フレームの中身は実は空洞のものがほとんどです。
そのため、芯というのは存在せず、厳密に言うと「ラケットの芯がなくなる」ではなく「ラケットがヘタる」という表現になります。
フレームを形成するカーボン繊維の結合力が弱まってくるとラケット本来の性能が失われていく(反発力がなくなる)ということになります。
強打をすれば結合力が弱まるリスクがあり、結果としてラケットがヘタる=寿命と捉えるのが自然かと思います。
逆に、腕力に頼ったり、ボールを潰すような打ち方をしない方(スイングスピードがゆっくりな方)は、結合力は弱まりにくくなりますので、使用者が納得をしていれば5年でも10年でも使い続けることはできます。
テニスラケットは2年が替え時なのか?
よくラケットは2年が替え時だということを耳にしますが、結論から言いますと2年以上ラケットを使っても問題ありません。
理由は先ほど述べた通り、ラケットのヘタり具合は各々で変わってきますし、現代の技術力によってカーボン繊維の結合力は相当なものになっているそうで、そうそうはラケットがヘタることがないからです。
では、なぜ2年で替え時と言われるのか?
単純に新作ラケット発売の周期が2年ごという理由が大きいです。日本人は商売上手ということもあり、こうした数字で買い手の心理を動かす手法はよく使われますね(ガットの張替えは3か月というのも同じようなことになります)
確かに、メーカーさんが市場の意見を取り入れ、より現代にマッチした新作ラケットを販売するために新テクノロジーを搭載したりと、客観的に見れば新作のラケットの方がグレードの高いものになっているはずです。
ですが、これはあくまで一般論であり、個々の感覚で「今使っているラケットがとても使いやすい」と思うのであれば、満足のいくまで使用していくのも全然ありです。
テニスラケットを変えるタイミングは?
テニスラケットを変えるタイミングの目安は、下記の6つです。
■テニススキルが上がった時
■プレースタイルが確立した時
■上のレベルを目指したい時
■克服したいショットがる時
■単純に変えたいと思った時
各項目について詳しく説明していきます。
テニスレベルや目的によって、変えるタイミングや変える理由はことなりますので、ご参考ください。
ラケットの劣化
テニス上級者や男性に多いのがテニスラケットのヘタリです。
強打が多くなればそれだけテニスラケットへの負荷は大きくなり、下記のような現象が起こってきます。
■打球音が鈍い音になってきた
これらの現象が起きた場合は、ラケット本来の性能が発揮できていない状態となりますので、替え時となります。
しかし、僕自身コーチをやっていますが、試合に出ていた時は1年半とかで飛びが悪くなってきたなーと感じていましたが、現在はレッスンしかやっていませんので、数年たっていてもラケットのヘタリは感じません。
そのため、個人的な感覚ではありますが、一般プレーヤーであればラケットがヘタったから替え時だ!というのは、あまり感じないのかなと思います。
プレースキルの変化
テニス初心者や中級者、ジュニアなどに多いのが、プレースキルの変化によるラケットの買い替えです。
テニスを始めたころはボールが飛ぶテニスラケットを使用することが多いですが、レベルが上がってきますとスイングもしっかりとしてくるため、今までのラケットだとボールが飛びすぎてコートに収まらないといったことは多く起こりますね。ボールの飛びが抑えられないと感じた時はテニスラケットの替え時となります。
重量を重いものにしたり、面のサイズを小さめにしたりして、より自分のスイングにマッチしたテニスラケットに変えることで、ストレスなくテニスを楽しむことができます。
プレースタイルの確立
テニス中級者にもなってくると、ある程度自テニスのプレースタイルが確立してくることとなります。
自分はストローカーだ!というのに、ボレーに特化した重量が軽くフレームの厚いラケットを使用していては、得意分野でもあるストロークを生かすことが難しくなりますね。
ストローカーの中でもフラット系なのかスピン系なのか、サーブ&ボレーなのか、技巧派なのか、パワーヒッターなのか、プレースタイルが確立してきたのであれば、それぞれのスタイルにあったテニスラケットに変えると良いでしょう。
上のレベルを目指したい時
テニス中級者~上級者にもなると、さらに上のレベルにいくために新たなショットの習得を目指す方も多くなります。
フラット系の方がショートアングルをスピンで打てれば、プレーの幅は広がります。そんな時は、フラット系もスピン系も打てるラケットに変えるのは一つの手ですね。
ボレーの強打が得意な人がドロップショットを覚えたら、相手に強打以外の選択肢を与えることになり、優位になります。面の安定度があり操作性の良いラケットに変えることで、プレーの幅が広がるかもしれません。
あのショットが打ちたい!と思った時、技術練習にプラスして、今使用しているテニスラケットを見直し新たなラケットでプレーするのを視野に入れてみるのも良いですね。
苦手克服
苦手克服の一番の改善方法は練習となりますが、パワー不足を補いたい・自信もってラケットを振れないからスピンをかけたい・などの「悩み」がある際は、新たなテニスラケットに変えることで、案外苦手克服ができることもあります。
特に女性の場合はパワーをもっと出したいと願う方も多いですので、そんな時はパワーアシストの高いテニスラケットに変えるタイミングになってくるでしょう。
心境の変化
今までお伝えしてきたラケットを変えるタイミングは、技術面からの視点でお伝えしてきましたが、単純にラケットを変えたい!と思うのも、立派な替え時のタイミングとなります。
僕の場合は、白色のラケットが好きなので、新作の白色のラケットが出ると、非常にテンションが上がります。好みのデザインはモチベーションアップにもなりますね。
また、新作ラケットに目がない方も多いでしょう。新作ラケットは魅力的な情報がたくさんありますし、新し物好きであれば即座に購入するでしょう。
今のラケットは、タイプや重さの違いはありますが、大体のラケットは性能がよく、どのラケットを使用しても快適なテニスをすることが可能です。
ラケットの性能に順応してスイングも自然と変化しますし、技術面についてそこまでこだわりのない方は、変えたい!ほしい!と思った時が、変えるタイミングとなります。
テニスラケットを変えるタイミングは人それぞれ
テニスラケットを変えるタイミングは、ラケット自体の影響よりも、ラケットを使用している側の目的や感情を重要視した方がよいでしょう。
無理に変える必要はありませんが、上記に挙げた6つの理由があるのであれば、テニスラケットを変えることを検討してみるのがよいと思います。
僕の場合は、結構頑固なので、本当に気に入るラケットが見つかるまではなかなかラケットを変えませんが、それでも快適にテニスをしています。
ただ、変えたいという衝動にかられた際は、すぐにでも買えますし、テンションやモチベーションもものすごく上がります。
今のテニスにもやもやしている方などは、気分転換にテニスラケットを変えるだけで、テニスに関する考え方も前向きになり、快適にテニスを楽しむことができるかもしれません!
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