テニスのフォアハンドストロークが打てない…そんな方に向けて、現役のテニスコーチが、経験談をもとに克服法をお伝えしていきます。
■練習では打てるのに、試合では全然振れない
■バックは打てるのに、フォアはまったく感覚がわからない
目次
僕がフォアハンドの打てない状況を克服した方法
→打つ!ではなく、どんなボールを打ちたいか
■体を使うことを覚えた
→逆手フォアで修行
■いろいろな人の意見を一度全部捨てた
→頭の中をシンプルにした
僕がフォアハンドを得意にすることができた要因は主に上記の3つがポイントでした。
結論から言いますと、シンプルが一番!ということです。
色々な人から色んなアドバイスをもらいました、自分でも色々試しました、だけど、あっ、この感覚かも!と思った時は、実にシンプルな動作・考え方だったのです。
余計なものをすべて排除したことが、今まで打てなかったフォアハンドを得意と呼べるまでに変われたのですが、きっとこの記事を読まれている方は、そうはいっても、、そんなうまくいかないでしょと思われると思います(僕自身がそうでした)
ここからは、フォアハンドが打てるようになるまでの経緯とコーチ視点からスポーツ科学と経験から基づく克服法を詳しく解説していきますので、ご参考ください。
フォアハンドが打てなくなった原因は?(体験談)
テニスを始めたころ、バックハンドはなぜか思い通りに打てたのですが、フォアハンドはいつも不安ながらも打つことが多かったのですが、それでも、そこまで深刻に考えておらずに当時は自由にやっていました。
今思うと、当時からフォアハンドストロークの感覚がわかっていなかったと思えますが、あからさまに「フォアハンドが怖い」と思ったのが、テニスコーチのバイトを始めた18歳のころでした。
コーチになるために球出し練習をするのですが、その時、イップスの症状に似た体の硬直を感じたのを今でも覚えています。
その日を境に、練習ではバンバン打てるのに、コートに入れなきゃいけないという制約が伴う試合になるとフォアハンドストロークが振り切れずに、ラケットを上に持ち上げるようにして相手のボールを受けるようなスイングしかできなくなってしまいました。
それ以来、約5年間、だましだましのフォアハンドストロークとなってしまいました。
フォアハンドを克服するためにしたことは?(体験談)
僕がフォアハンドを克服するためにやったことは、以下の3つです。
■逆手でスイングをする
■打ち方ではなく、ボールの結果を意識する
同僚のコーチとたくさんラリーをしてもらったり、上司にアドバイスをもらったりなど試行錯誤していったのですが、テニスコーチをやっていると同じようなお客様が多くいることに気付き、いくつかの共通点を発見しました。
・打点が遅れる
・横ぶりのスイング
・インパクトに全神経を集中させている
この3つの共通点は、スイングを腕や手のみで行っていることです(手打ちスイング)
そこで、僕は、ラケットを短く持つことで腕だけのスイングだとボールが飛ばない状況を作り出したり、逆手で握ることで体を使わないとボールを飛ばせない状況を作り、腕ではなく体を使ったスイングを身につけることだけに意識をして練習をしました。
また、今までは打ち方に意識があったのですが、どんなボールを打ちたいかという方に意識をもって打つ練習をしていきました。
体を使ったスイングと弾道のイメージの2点を行った結果、思い通りにフォアハンドが打てるようになりました。
フォアハンド克服の3つの方法
ストロークのスイングは、下半身からの始動で重心移動・体の回転といった動作を行った結果、腕がそれらの動きに引っ張られる形で振られる動きをしていくことが大切です。
要は、体を使えば、ラケットが勝手に打点を通り、勝手にスイングができるということですね。
また、どんなボールを打ちたいかという考え方が、脳から情報伝達として動作へとつながっていきますので、打ちたいボールに対して体が自然な形で動いてくれ、打ちたいボールに対してのスイングが自然と完成していきます。
自信もってフォアハンドが振れるようになるために、以下の3つの手順で、克服法を実践してみてください。
↓
手順②弾道のイメージ
↓
手順③シンプルな思考
手順①体を使ったスイングの方法
①フォアの握り位置の上にもう一方の手を添える
②ショートラリーで実践
③ロングラリーで実践
スイングの仕方は気にしなくても大丈夫です。
逆手でラケットを振ってみるとわかりますが、まったくテイクバックをしていない感覚になります。
実は、テイクバックをしていない感覚が正しいテイクバックとなります。
また、逆手で握った場合、腕だけではまったくボールが飛ばないのが体感できます。
逆手フォアでボールが飛ばせるようになった時は、重心移動やら体の回転が使えてるということになりますので、自然とフォアハンドに必要な体の動かし方を身につけることができてきます。
いきなりロングラリーからだと、ボールが全く飛ばずにグリップを握ってしまう恐れがありますので、まずは短い位置からラリーをすることをおすすめします。
手順②弾道をイメージする方法
①ボールをどこに落下させたいかを確認
②落下場所から逆算してインパクトまでの弾道をイメージ
フォアハンドが打てない、急に打てなくなったというときは、大抵インパクトの位置から弾道のイメージをしようとしてしまいます。
インパクトから意識してしまうと、インパクトに全精力を集中させてしまうことになるので、どうしても腕に力が入ってしまい、ラケットが振れないフォアハンドストロークになってしまいます。
先に目標となるボールの落下地点を決め、その位置に向かって打球するとインパクト後も打ちたいボールに対してラケットが進むようになり、しっかり振り切ったスイングができるようになります。
下記の記事で詳しい詳細を書いていますので、気になる方はご参考ください。
手順③シンプルな思考方法
①弾道をイメージする
②打ち方は考えずに、迷わずにスイング
フォハンドが打てないと感じる方は、テイクバックはこうで、インパクトの時の形はこうで、といった部分的な打ち方を考えてしまったり、コートに入るかなー、などの弱気な思考となってしまいます。
ボールを的に投げる時に、ただ的を目指して投げますよね?
専門的にやっている方やボールを投げる土台ができる方は別として、的に投げる際にそこまで投げ方を意識しないのではないでしょうか?
テニスの場合は、そこにただラケットがあったというだけです。
手順①の体の動かし方を理解し、手順②の弾道のイメージを練習した後は、
打ちたいボールに対して迷わず打つだけ
という、至極シンプルな思考で、打球をしてみてください。
このシンプルな考え方が、リラックスした体の動きを作り、理にかなったスイングフォームとなってきます。
考え方を変えることがフォアハンドを克服するコツ
フォハンドが得意な人は、いちいちテイクバックの引き方などの打ち方を意識はせずに、打ちたいボールのイメージだけを目指してスイングをしています。
■弾道のイメージをしっかりもつ
■ただ、弾道のイメージに向かってスイングをする
打ち方は、その都度柔軟に対応しなければなりません。そのためには、リラックスした状態を作らなくてはならず、リラックスした状態がボールの勢いや安定につながっていきます。
きっと、はじめは苦戦すると思いますし、すべての方に適応できないかもしれません。
ただ、フォアハンドが打てない方にこの指導法を実践した結果、今のところ100%で安定したフォアハンドを打てるようになり、5割以上はフォアハンドが武器となっています。
今のままでは、ずっとフォアハンドに自信が持てないことになるかもしれません。
でしたら、現状より下はないと思いますので、ファハンドが打てない、自信が持てないという方は、ぜひ一度お試しください。
テニスに対する感覚が変わり、新たなテニスに出会えるかもしれません。
コメント
こんにちは、私も今フォアハンドのイップスで苦しんでいます。
ラケットを上級者向けの物を使用し始め、またネットなどで今時の打ち方を参考にしていた所、上手く打てなくなりました。
2年程スクールのコーチに相談し色々試していますが改善しません。
記事を参考になる程と思いました。
逆手の握り方が良く分からないので、写真か絵で具体的に教えて貰えないでしょうか?
宜しくお願いします