テニスのダブルスで決め役となる「前衛」のポジション取りや動き方について、現役のテニスコーチが徹底的に解説していきます。
ーこの記事がおすすめの方ー
■ストレートが抜かれやすい人
■ダブルスが上手くなりたい人
前衛に自信がない方にとって、役立つ記事となりますので、ぜひご参考ください。
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目次
テニスのダブルス前衛のポジショニングと動き方
テニスのダブルスではダブルスの動き方がポイントを獲得できるかどうかに大きな影響を与えてきますが、以下の点を意識したポジショニングと動き方がカギとなります。
■左右のスペースを空けない
■相手を観察し、必要に応じて動く
一般的に前衛者は攻撃という認識が強いですが、実は正しいポジションを取ることで、攻めと守りの両方をすることができます。
そもそも陣形とは、守りを固めるために生まれた配置となり、その中でどうポイントを取りに行くかという視点から、相手との時間をなくす目的のために前衛というポジションがあります。
そのため、やたらめったらに動き回ってしまうと、本来の陣形の目的でもある守りの部分が崩れてしまいますね。
それぞれ詳しく解説していきますので、守りもできてすかさず攻撃にも行けるポジションや動き方の習得のヒントにしてみてください。
向きを作る
ダブルスの前衛のポジショニングで一番初めに行うことが、対戦相手に向きを作ることです!まずは図をご覧ください。
向きを作るだけで、左右のスペースを均等に保つことができ、ネットに向きを作るとコート内のスペースが広がったことがわかると思います。
テニスコートを基準に考えてしまいネットに対してまっすぐ立ってしまうと、相手から見た視点では、左右がものすごく広く感じます。
対して、対戦相手に対して向きを作ることで左右のスペースを均等にすることができ、相手に横のスペースを広く見させない効果があります。
左右のスペースを狭める
向きを作ることで左右のスペースを消すことができましたが、さらに左右の幅を空けない動き方があります。
相手からのボールは扇形に飛んできますので、実は相手に向かって前につめればつめるほど左右のスペースを小さくすることができます。
ですが、実際は2歩も3歩も移動できる時間的余裕もありませんし、動きが多すぎるとロブ対応がおろそかになります。
そこでおすすめなのが、スプリットステップです。
■左右を狭くするポジショニング
■想定外の守りにも対応可能
スプリットステップを使用することで上記の利点を得られ、守りと攻めの両方に対応できるポジショニングと動きを可能になります。
観察してからポジション取り
前衛は相手との距離が短くなるため、攻めたり守ったりと動きすぎてしまうと、攻撃のチャンスを見失う可能性が出てきます。
本来の前衛の考え方は守ることではなく、相手の時間を奪って決めることです。
ピンチの時だけ守りに入ればよく、それ以外はいつでも攻撃に行けるように相手をじっくり観察して、決めにいく機会を狙うようにしましょう。
そのためにも、ポジションはあまり動きすぎず、必要な時だけ動くことがコツとなります。
テニスのダブルス前衛の動き方の具体例
テニスのダブルス前衛のポジショニングや動き方を3つの具体例とともに解説をしていきます。
■ポーチ対応
■ストレートカバー
具体例①攻撃の動き方
前衛で攻撃をする際の動き方とポジション取りのコツは3つです。
■相手の体勢を観察
■ステップで前進し、打球
攻撃となると、どうしても強いボールという認識になってしまいますが、その結果ボールをふかしてしまい決めきれないケースが多くあります。
前衛の攻撃のポイントは『行くべき時にいく』と『時間を奪う』の2点。
向きを作り相手の体勢からチャンスボールが来るかも!と思ったら、さらに相手の時間を奪うためにステップで前進しましょう。
ステップで重心が前になっていることで、その後、ボールを取りに行く際にさらに前方に進むことができ、より相手の時間を奪う動き方ができます!
打球時は、スペースを狙ってコントロールをしたり、角度をつける意識を持ち、ポイントを獲得しましょう。
具体例②ポーチケア
前衛で守るための動き方とポジション取りのコツは3つです。
■対前衛に向きを作る
■サイドステップでセンターへ移動
相手がポーチをしてくるということは、味方後衛がピンチになっている可能性が高いということになります。
味方後衛が苦しくなるということは、相手が良いショットを打ったということですね。
ということは、相手のショットが良い場合に、ポーチケアの準備をすればよいということになります。
ポーチケアが必要な場合は、対前衛に向きを作った後、センターのスペースを消すためにサイドステップで守るためのポジションを取りましょう。
具体例③ストレートケア
前衛でストレートケアの動き方とポジション取りのコツは2つで、実はすでに書いてあることです。
■前方へステップ
よくある事例として、ストレートを守るために横へ移動することがありますが、下記の図をご覧ください。
ご覧の通り、ストレートカバーのために横に移動してしまうと、センターのスペースを空けてしまうことになりますね、
対して、向きを作り前進した場合は、左右のスペースが均等で、なおかつ狭くなります。
変にストレートカバーをするよりも普段通りの動きをしている方が、実は相手からした視点ではスペースが狭く見えるといくことになりますね。
ロブが来たらどうする?
前につめたら、左右のスペースは消せるけど、ロブが来たらどうするのか?という疑問が浮かぶと思います。
この答えは、相手を観察してください!です。
相手をしっかり見ていないで、一球ごとに動きてしまうことで観察ができなくなり、ロブに対応できなくなります。
そして、今までお伝えしてきた向きを作って前にステップをしたら、観察してもロブが抜かれるじゃないかと思ったら、ぜひ、前衛に立たないことをおすすめします。
前衛の目的は、相手の時間を奪いポイントを取る事であって、ロブを対応するためにいるわけではありません。
テニスは攻撃とリスクが隣り合わせです。
リスクばかり恐れて、前衛の本来の役割をしない方が、よっぽど問題ですよね。
状況や相手のプレースタイルによるところもありますが、ベースとしては、ロブに比重をおくのではなく左右のスペースや攻撃を仕掛けるタイミングに注力をしていく方が、前衛にいる意味を見出せます。
まとめ
ダブルスの前衛の動き方・ポジションの取り方についてもう一度まとめます。
■向きを作りステップ移動
■観察をし、必要に応じてポジション移動
前衛は横移動というのはほとんどしません。するのは斜め移動です。
ストレートカバーで横移動していてセンターによく抜かれるんだよねという方や、前衛の基本の動きがわからないという方は、まず1球ごとに打球者に向きを作るところからスタートしてみてください。
無駄な動きがなくなり、相手を観察する時間や状況判断の時間が格段に増え、自分のやるべきことが見えてきます。
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