テニスのフォアハンドストロークでスイングの基盤を作る重要な要素に「テイクバック」があります。
テイクバックの作り方を習得することで、スイングの安定・ボールの威力アップ・手打ち防止など様々な効果を得られますので、ぜひマスターしたい動作になります。
この記事では、テイクバックのコ基本となるコツや重要性・やり方について現役のテニスコーチがお伝えしていきます。
✔威力のあるボールが打てない
✔手打ちになってしまう
フォアハンドのテイクバックとは
テイクバックとは、ボールをより飛ばすために、反動をつけてラケットを後ろに引く動作のことを言います。
テイクバックを取ることで、ラケットの移動範囲が増し、勢いをつけることができるため、ボールをより遠くに飛ばすためにもテイクバックは重要な要素となってきます。
ターンとテイクバックの違い
テイクバックとターンを一緒に考えやすいですが、二つの動作は目的が異なり、別の動作となります。
ターン…体の回転を使うために横向き(上体のひねり)を作る動作
テイクバック…ボールにさらに勢いを出すための動作
テニスのストロークの手順はターン→テイクバックとなります。そのため、テイクバックとはターンの後に行われるいわばオプションであり、構えからいきなりテイクバックにいくことはありません。
打点が遅れてしまうかたやボールに勢いが出せない、腕に力がはいってしまうという方は、総じてターンを省いてテイクバックをしていることが多いです。
テニスのテイクバックと言われた場合は、ターン→テークバックのことという認識を持つことが大切です。
フォアハンドのテイクバックの正誤比較
テークバックで起こりやすい誤りとして、体は正面向きのまま腕でラケットを引くような動き方があります。
腕を引くことということはグリップに力が入ってしまい腕力でスイングをするきっかけを作ってしまいます。
このような動作をするとコーチに「横向きを作って!」と言われると思います。しかし、横向きを作らなきゃと思いテイクバックの後にターンをしてしまうと、ターンの時間分打点が遅れる結果となってしまい、思うようにスイングができなくなります。
先ほどもお伝えしましたが、テニスのストロークスイングは体の回転を使用して行いますので、始動は下半身からのスタートとなります。フォアハンドストロークの基本スイングについては『テニスのストロークのコツは運動連鎖!』をご覧ください。
そのためにはまずターンをして、その後に打点のタイミングに合わせてテイクバックをしていくことが重要になります。
フォアハンドのテイクバックのやり方
テニスでフォアハンドを安定させ力みのないスイングをするには、スイングの初動であるテイクバックを身につける必要があります。
テイクバックに関して肘から引く、肘を上にあげるなど様々なことが言われていますが、テイクバックに悩んでいる方がいきなり肘に意識を持ってしまうと、手打ちになりやすくテニス肘になってしまう可能性もあります(現に僕がテニスを始めたばかりのころ肘からラケットを引くスイングをしていたため、安定しないフォアハンドでした)
テニスのスイングは、肘や手首といった部位ではなく、体の中心部(体幹)を使うことが最も重要となり、体の中心部を使うスイングの基盤となるのがテイクバックになります。ですので、基本となるテイクバックのやり方をお伝えしてきます。
レディ→ターン
テイクバックを正しく行うためには、ターンの動作を身につける必要があります。
ターンとは文字通り回ることを意味し、テニスのストロークで言うターンは状態のひねり(横向き)のことを言います。
ターンのやり方は、非利き手を使用して上体を回す動作となります。
右利きの場合、右腕を後ろに引いてしまうと、ラケットを引いたのちに横向きを作る手順となってしまい、手順が逆になってしまいます。
レディ時、スロートなりグリップを左手で持っている状態になっていると思います。そのまま、右手を引くのではなく、左手でラケットを右方向に押すようにすることで、右手を引かずとも状態をひねることが可能になります。
ターンのコツは、ラケットのフレームが視界から消えないところに常にある状態を作ることです!
腕で引いてしまうと、ラケットは視界から消えてしまいます。フレームが視界から消えないことを意識すると右手でラケットを引くという動作になりにくくなりますので、ぜひお試しください。
・ラケットのフレームが常に視界にあるようにする
ターン→テイクバック
レディの状態から左手を使用してターンをすると、上半身は構えた時と変わらない形のまま横を向くことになります。
ターンの状態から、腕を肩幅に開けばテイクバックの完成です。
腕を開くことで、上半身の状態が左右対称となります。左右対称の動きであれば体の回転がしやすくなり、グリップも握りすぎることがなくなります。
よくある例として、左手を伸ばすといったことがありますが、体の使い方を覚えていない段階で左手ばかりに意識が行き過ぎると腕のバランスがおかしくなり、スムーズに体の回転をすることが困難になります。
余計な動作を加えテイクバックをしてしまうことで、せっかく体のバランスがとれたターンの効果を打ち消してしまうことになり、結果として手だけで打つスイングになってしまいます。
・肘を引いたり、左手を必要以上に延ばさなくてOK
フォハンドのテイクバックの応用
ここまでの説明で、フォアハンドの準備はテークバックではなく、ターンということが分かったかと思います。
テークバックは、さらにボールに勢いを与えたい時に加えるものであり、同時に相手のボールスピd-ドや深さ・自分の打ちたいボールの勢いに応じて、大きさを変化させることができます。
相手のボールに勢いがなく自身に余裕があり、強いボールを打ちたいのであれば大きなテークバックをすればよいですし、相手のボールに勢いがあり時間的な余裕がないと判断したらテークバックを小さくして対応をすればよいのですね。
腕で引いてしまうとテイクバックの大きさの調整が難しくなりますが、ターン→テイクバックという手順で動作を行うことで、状況に応じたテイクバックの調整ができることになるので、打点の安定や柔軟な対応ができるということになります。
実際にテニス上級者のラリー時のフォアハンドとリターン時のフォアハンドを見比べてみると、リターン時では余裕がないのでテークバックはほとんどせず、体の回転のみで対応をしています。
▼ストロークの基本が丸わかり▼

まとめ
テニスのストロークではテークバックがスイングのスタートとなりますので、その後のスイングフォームに多大な影響を与えます。
打点が詰まる方や、手打ちと言われてしまう方は、ターンを使ってテイクバックをすることで改善されます。
テイクバックが改善されれば、体の回転を使用したスイングフォームが可能になりますので、ボールの勢いも出すことができ、さらにボールに回転をかけるためのスイングスピードも上がってきます。
※スピンについては『テニスのストロークで回転をかけるコツは「打点までの動き」』をご覧ください。
ぜひ、テイクバックをマスターして、今よりもさらに進化したフォアハンドを目指してください。
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