テニスの本質って考えたことありますか?
試合に出ている方なら相手のいないところに打つ・ラリーを支配するなど、テニスをはじめたての方なら相手に返す・習った打ち方でラリーするなど、それぞれのレベルに応じてテニスの考え方は変わってきます。
ですが、もっと根柢の核となる部分「テニスの本質」は、意外に簡単なことではないでしょうか。
それは「相手よりも一球でも多くコートに返すこと」
この記事では、テニスが上手くならないと感じた方やテニスは難しい・ダブルスで勝てないと感じる方へ向けて、テニスの本質について現役テニスコーチの当サイト管理人が解説します。
テニスの本質と手段
先ほどもお伝えした通り、テニスを究極にシンプルに考えた場合、相手より一球でも多くコートに返すことができれば絶対に負けないのがテニスというスポーツです。
一見すごくシンプルですが、これを追及すると
・良いボールを打つ
・相手にオープンスペースを当てない陣形
・攻めのパターン
など、たくさんの勝つための手段がでてきます。
この時、手段ばかりを追い求めてしまうと本来のテニスの本質が見えなくなることがあり、テニスは難しいやテニスがうまくならない・ダブルスで勝てないといった伸び悩みが生まれることになります。
こんな状況になった時はテニスの本質「相手よりも1球でも多く返す」に戻ってみてください。すごくすっきりするはずですよ。
テニスの本質と考え方
テニスが勝敗を争うスポーツである以上、最終目標は「試合に勝つ」です。
では、試合に勝つためには何が必要なのか?ここではダブルスを例にあげて説明していきます。
テニスの試合で勝つ
↓そのためには
ダブルスの練習をする
↓そのためには
ラリーができなくてはならない
↓そのためには
打ち方を覚えなくてはならない
このようにして、陣形をするためにはラリーが必要、ラリーをするためには打ち方が必要といったように、今やっていることは何のためにやっていることなのかを明確にすることで、テニスの本質からずれなくなってきます。また、すべては本質につながってきます。
ダブルスの本質は「2人でプレーをすること」
ダブルス練習としてメジャーなのがパターン練習と陣形練習ですね。もちろん試合に勝つためにやっていると思いますが、パターン練習や陣形練習は手段であって本質ではありません。
ダブルスの本質:2人でプレーをすること
単純ですよね。シングルスは一人で行いダブルスは二人で行うわけですから、二人でやる意味を作らなければダブルスをやる意味がありません。
試合中にパターン通りにいかなかったり、自分たちの形で攻撃できない時とかありませんか?これはテニスにおけるダブルスの本質を理解していないことで起こる現象になります。
ダブルスなのにシングルス?
シングルスをやってたら勝てないよ!なんて言われた経験ある方もいるのではないでしょうか?ですが、言われてる方は「いやいや、2人でコートにいるじゃん、ダブルスじゃん」と思うことでしょう。
私も学生の頃よく言われていましたし、正直「意味わからん」とふてくされていた記憶があります。
わかりやすい例でいうと二人三脚です。一人が突っ走っても決してうまくはいきません。二人の動作を合わせるため掛け声をかけ、歩数を合わせて二人のリズムがあってくる。
実はダブルスでも一緒なのです。
打っている本人からしたら絶好球なので、強いボールを打ちます。もちろん決まればナイスショットとなるわけですが、パートナーはこのスピードに全くついていけていない様子。これがダブルスなのにシングルスをやっているということです。
決まればいいじゃん!ごもっともです。ですが、相手のレベルが上がれば上がるほどきっとそのボールは返ってくることになるでしょう。そして、きっといわれます。ダブルスなのにシングルスをやっている、、と。
ダブルスでは決めることが本質ではなく「2人が共通認識でポイントを取る」というところが本質となります。
思いやる気持ちが大切
あっ、このパターンの場合はこういう陣形だったよね!…想定外のロブが来ちゃったよ。
考えればわかることですが、相手も勝とうとしてるわけですからわざわざ自分たちのパターンがやりやすいようなボールなんてそうそう来るものではありません。コーチにこう言われたからといって陣形を作っても相手が予想外のことをしてきたら練習以外のことが試合で行われることになります。
パターンや陣形は知識として知っておくのはもちろん大切ですが、正直試合ではほかに大切なことがあります。それは互いが思いやることです。味方は何をするだろうと考えられれば、味方の打球や動きに合わせたポジションを勝手に作ることができますので、究極を言ってしまえば、味方を考えられればおのずと陣形を作ることができるのです。
こういう考え方になると予期せぬ出来事が起こった際の対応がすごくスムーズになり、お見合いがなくなったり相手に大きく陣形を崩された時でもその状況に最適の陣形を作ることができてきます。
2人でという本質をすっ飛ばして陣形やパターンの手段ばかりを極めても、本質がグラグラな状態ですのでボロが出てしまうと総崩れになってしまうかもしれません。
手段が本質を難しくさせる「シンプルに考えるコツとは」
ロブの対応の動き方はコレだ、ショートクロスはこういう打ち方、、こうした手段に特化した考え方になってしまうと柔軟性がなくなってしまいます。極論を言ってしまえばどんな打ち方でもショートクロスに配球できれば目的は達成されますし、ロブだからといって別に前衛が絶対に取らなければいけないという決まりもありません。
それよりも、ロブ取れそうにないから早く味方に知らせなきゃ、味方が攻める気満々だからショートクロスに配球してみようといったように味方を考えながらテニスをしていく方が2人でテニスをしている実感が芽生えています。
テニスの本質は相手よりも一球でも多く返すことで、ダブルスの本質は二人でテニスをすることなわけですから、練習通りの動きをしなくてはとかショートクロスは絶対にこの打ち方という要素はどこにもありません。
まずは、2人でテニスをするということを理解し、そうしていく中で自分に足りないショットを練習したり、自分に足りない動きを練習したりするわけです。
このように、試合のために、2人で勝つためにという考え方が先行して、そこで気づいた補う要素を練習していくとイメージもつきやすく結果として上達スピードを上げることができます。
試合になるとラリーができない、思うような陣形が取れない、今まで決まっていたボールが決まらなくなってきたなど伸び悩みを感じる方は一度テニスの本質に立ち返ってみると、今まで気づけなかった視野でテニスを捉えることができてくるかもしれません。
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