テニスの雁行陣とは?基本ポジションや動き方も解説【ダブルス陣形】

※このサイトは広告を含む場合があります。

テニスのダブルスで基本陣形でもある「雁行陣」の意味や役割といった基本知識や意外と知らない動き方・基本ポジションについて、現役のテニスコーチが徹底的に解説します。

ーこんな方におすすめの記事ー

■雁行陣の基本知識が知りたい
■雁行陣を覚えたての初級プレーヤー
■雁行陣を使っている中級プレーヤー

この記事を読むことで、雁行陣はもとより陣形の考え方もガラリと変わりますので、ぜひ、ご参考ください。

スポンサーリンク

テニスの雁行陣とは?

テニスの雁行陣(がんこうじん)とは、ダブルスの試合で使用される陣形の中の1つで、特徴は以下の3つです。

■最も基本的なダブルスの陣形
■前衛と後衛に分かれて位置する
■攻守のバランスが取れた陣形

鳥の雁が斜めに連なって飛んでいるところから

が飛んで

ということで、雁行陣と名付けられています。

ネット付近のプレーヤー(前衛)とベースライン付近のプレーヤー(後衛)がコートに対して斜めに配置していますね。

テニス初心者が最初に教わる陣形でもあり、ダブルスを行う上で絶対に知っておきたい陣形となります。

前衛と後衛の役割

雁行陣の前衛と後衛の本来の役割を簡潔に言うと以下の通りです。

■前衛:攻撃をする人
■後衛:チャンスを作る人
■雁行陣:守りの形

前衛はネットに近い位置にいるため、より相手との時間的な余裕をなくすことができ、攻撃的な役割が大部分をしめ、状況によってはポーチという奇襲攻撃などを使い、ポイントを取りに行きます。

後衛は、時間的な余裕があるため、攻撃の起点を作るショットや戦況を立て直すショットなどを打つことで、すべての展開の起点となり、基本は前衛に決めさせるためのチャンスメイク役・時には自らも攻撃をしたりもします。

サッカーで言うと、フォワードが前衛・司令塔が後衛に近い役割となります。

では、守りは誰がやるのかというと、2人です。

正確に言うと、雁行陣という陣形そのものが守りということです。

そもそも、陣形とは、戦国時代に城を守るために取られた布陣のことを言いますので、テニスの陣形も同じ意味合いとなります。

バランスが取れた陣形

テニスの雁行陣がバランスのとれた陣形という理由は3つあります。

■攻めも守りもしやすい
■空きスペースが均等
■様々な戦略が作れる

テニスは1球ごとに戦況が目まぐるしく変わるスポーツですが、状況に応じて攻めにも守りにも切り替えられるのが最大の特徴と言えます。

また、雁行陣はコートの空きスペースが大きく分けて5つ存在しますが、すべてのスペースを二人で均等に補うことができます。

ストローカーのさじ加減一つで、コートを広く使った戦術・前につめて相手との時間をなくす攻撃的な戦術など、様々な戦略をとれるので、柔軟性に優れた陣形でもあります。

テニスの雁行陣の基本ポジション

テニスの雁行陣には、基本ポジションという基準となる立ち位置があり、バランスのとれた陣形をつくる上で非常に重要です。

最も基本となる前衛のポジションと後衛のポジションについて解説していきます。

前衛(ボレーヤー)のポジション

雁行陣前衛の基本ポジションを作るポイントは以下の通りです。

■ダブルスラインとセンターラインの中間
■ネットとサービスラインの中間
■両方の交わる位置が基本ポジション

ボレーヤーはただ攻めているだけというわけではなく、状況によっては守りの形(スペースを消すポジション)も作らなくてはなりません。

攻め・守りのポジションを流動的に行っていきますが、その起点となるのが基本ポジションとなります。

後衛(ストローカー)のポジション

雁行陣後衛の基本ポジションを作るポイントは以下の通りです(フォアサイドの場合)

■右足がベースラインとシングルスラインの交わる位置
■ライン上ではなく、相手後衛に向きを作る

ダブルスでは、基本的にクロスのラリーがメインとなり、様々な展開に移っていきます。

良くある間違いとして、ベースラインに合わせて足を合わせてしまったり、コート半面の真ん中に位置することがありますが、これでは右側のスペースが大きく空いてしまいます。

対ストローカーに対して左右どちらにも守れる位置が上記で説明した基本ポジションとなります。

テニスにおける基本の陣形の動き方

ダブルスの陣形を行う上で、絶対に知っておきたい動き方の基礎が2つあります。

■相手に向きを作る
■スプリットステップで準備

テニスをプレーする上ですべての基盤となりますので、ぜひ、マスターしましょう!

相手に向きを作る

当たり前ですが、テニスは相手からボールが飛んできます。

ストレートラリーする際、無意識に相手に向きを作っていますよね?

ですが、いざ陣形になると、コートという枠に気を取られネットに対して平行に向きを作ってしまいがちになります。

コートはあくまでアウトジャッチをするための「枠」です。

テニスコートに気を取られずに、相手に向きを作ればいつも練習しているストレートラリーと同じ感覚でテニスをすることができます。

スプリットステップで準備

スプリットステップとは、動くための準備です。

走る前にも、直立の状態からスタートをせずに、走るための準備をしますよね?

テニスにおける動き出しの準備はスプリットステップとなり、動き出しをスムーズにしたり相手を観察して予測や判断をするうえでも重要な動きとなります。

陣形の場合、スプリットステップをすることで無駄な動きを抑えられ、効率的に動く基本となりますので、ぜひ取り入れましょう。

テニスにおける雁行陣の動き方

雁行陣の各ポジションごとの動き方の基本を解説していきます。

前衛:攻めは前に・守りはサイドステップ
後衛:相手後衛に合わせたポジション取り

雁行陣の動き方を知れば、相手にスペースを与える確率が減り、自分たちが攻撃へとうつれるチャンスが増えますので、取り入れてみましょう。

前衛の動き方

雁行陣前衛の動きは基本ポジションを基準として以下のように動きます。

攻め:相手に向かって前方へステップ
守り:センターに向かって横へステップ

大前提として、相手に向きを作る動きを必ずします。

攻めはネットに向かってつめるのではなく、相手に対してつめるようにすると左右の幅を狭くすることができ、より攻撃チャンスが増えます。

守りは、後ろに下がると相手に左右のスペースを広く与えてしまうので、相手に向きを作ってからサイドステップで移動することで、左右のスペースを消すことができます。

詳しくは下記の前衛の動き方の記事をご参考ください。

後衛の動き方

雁行陣後衛の動きは基本ポジションを基準として以下のように動きます。

攻め:自分が打ったボールの方向へ移動
守り:前のスペースを意識した準備

こちらも大前提として、相手に向きを作る動きを必ずします。

攻めの動き

後衛の場合、前衛と違い時間的な余裕がありますので、一般レベルでしたら急いで前につめたりせず相手の動きを見ながら前に移動しても十分間に合います。

慌てずに、相手が動いた分だけ前に移動するイメージでOKです!

予測の仕方を知ると、より攻撃チャンスが広がる動き方ができるようになりますので、下記の記事を参考ください。

守りの動き

後衛は前衛と違い後ろを守るという概念がありませんので、左右と前をケアして守ればOK!

守ろうと意識するとポジションを下げやすいですが、あまり下がりすぎてしまうと前のスペースががら空きになります。

ポジションを少しつめるだけで相手にとって左右のスペースが狭くなりますので、場面によっては少し前に出るのも守る選択肢としていれておきたいです。

雁行陣はダブルスを基本陣形!しかし、奥が深い

100年以上の歴史があるテニスで、今でも現役でダブルスに使われている雁行陣の動き方のコツを、もう一度簡単にまとめます。

■雁行陣は万能陣形
■攻め役と司令塔がいて、守りは二人でする
■動き方のコツは、向きとステップ

雁行陣の基本となるポジションや動き方をマスターすることで、今まで抜かれてたボールが取れるようになったり、今まで攻められなかったボールが取れるようになったりします。

これから雁行陣に挑戦する方はもちろん、ダブルスの試合では雁行陣を使うことが多いという方でも、基本をマスターして応用へと進むことができますので、ぜひ、この記事を参考に雁行陣の練習に取り組んでみてください。

コメント