テニスの試合でたびたび耳にするタイブレーク。
錦織選手や大坂なおみ選手の試合でもよくタイブレークは行われます。
いきなり今までと違う流れになって「えっ、なにがはじまったの?」なんてことも…
現役のコーチが、図解ありでわかりやすく、テニスのタイブレークについて、ルール解説していきます。
テニスのタイブレークとは
タイブレークとは、ゲームカウントが6-6になった際の変則的なミニゲームのことです。
- 7点を先に取った方が勝利
- サーブ権は2点ずつ入れ替わる(注1
注1)最初ポイントのみサーブ権は1回
基本ルールの他に、10点先取のスーパータイブレークもあります(後述で解説)
ゲームやセットに関してはポイントの数え方をご参考ください。
目的
- 時間短縮
- 選手の体力面を考慮
男子のグランドスラムは5セットです。
タイブレークがない場合、相当の時間と選手の体力を消耗しかねませんね。
大会スケジュールやテレビ放送の関係、選手のコンディションを踏まえ、タイブレークが導入されています。
男子テニスの最長試合時間は11時間5分!
ウィンブルドン大会は最終セットを2ゲーム差つくまで試合が行われるため、起こった珍事です。
タイブレークのルールをわかりやすく解説
タイブレークのルールは以下の3つを押さえておけばOKです。
- サーブ権の流れ
- チェンジコートのタイミング
- デュース
それぞれ詳しく図解ありで説明していきます。
①サーブ権の流れ
タイブレークのサーブ権の流れは以下の通りです。
- 最初のサーブ権は1回のみ
- 相手に2回のサーブ権が移る
- 以降は2回のサーブ権が交互に移る
サーブを打つポジションも特殊になりますので、合わせて解説します。
※デュースサイド…相手コートに対して右側
※アドサイド…相手コートに対して左側
①最初のサーブ権
赤プレーヤーは、デュースサイドから1本目を打つ

②2・3点目は相手のサーブ権
2点目はサーブ権が変わり、黄プレーヤーはアドサイドからスタート

3点目も黄プレーヤーがデュースサイドからサーブ

③4点目以降は2回のサーブ権を交互に行う
サーブ権が変わった時のサーブの位置はアドサイドから

⓵~③を繰り返すことで、ターブレークは進んでいきます。
②チェンジコートのタイミング
タイブレークでは、両者の点数の合計が6の倍数の時にチェンジコートをします。
- 1回目のチェンジコート…6点
- 2回目のチャンジコート…12点
- 3回目のチャンジコート…18点
例)
3‐2…合計点数は「5」なので、チェンジコートなし
3‐3…合計点数は「6」なので、チェンジコート
5‐4…合計点数は「9」なので、チェンジコートなし
6‐6…合計点数は「12」なので、チェンジコート
チェンジコート後のサーブは必ずデュースサイドからのスタートとなります。
③デュース
タイブレークでは、両者の得点が6-6になった時点でデュースとなります。
- 2点差がつくまで行う
- デュース時もサーブ権は変わる
例)
6‐6…デュース
6‐7…リターンのアドバンテージ
7‐7…デュース
8‐7…サーバーのアドバンテージ
9‐7…2点差のため決着
デュースの際も、サーブ権やチェンジコートは、先に説明したルール通りに行われます。
スーパータイブレークについて
スーパータイブレークとは、10点先取のタイブレークのことをいいます。
- 最終セットの代わりとして
- ダブルスでは頻繁に
- 5セット時の最終セット6‐6時に
サーブ権の流れやチェンジコートなどは、通常のタイブレークと変わりません。
以前よりダブルスでは採用されていましたが、最近ではシングルスでも採用する大会がでています。
2019年全豪オープン大会で初めてシングルスで採用された10点先取のタイブレークは、衝撃的でした。
グランドスラムでは、ファイナルセット6‐6になった場合、2ゲーム差がつくまで永遠と試合が行われてきました。
しかし、選手の体力面の考慮や試合時間の影響から、近年最終セットがスーパータイブレークが採用される流れになってきています。
タイブレークのまとめ
タイブレークについて、おさらいしますね。
- タイブレークは特殊なミニゲーム
- 7点先取と10点選手がある
- サーブ権は最初を省き2点ずつ交互に
- チェンジコートは6の倍数時に
タイブレークを覚えると、テニス観戦でも面白さが数倍に!
タイブレークの時のヒリヒリ感といったら、もう最高です。
ぜひ、この記事を参考にタイブレークについて覚えていただければと思います。
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