
子供が、テニスを教えてほしいって言うんだけど、教え方なんてわからないのよね。

子供にテニスを教えたいんだが、練習の方法がさっぱり……
間違ったことを言って変な癖をつけちゃうかもだし。
子どもが意欲的に「テニス教えて!」と言われると、うれしい反面、テニスのことを知らないと困ってしまいますよね。
結論から言いますと、子どものサポートをしてあげるだけでOK!です。
子どものプレーを尊重して、自分から色々考えてプレーをさせる環境さえ整えられれば、ぐんぐん上達します!
というのも、フォームの矯正や固定概念は、子ども本来のポテンシャルを低下させてしまうからです。
現代テニスでは、プレイ&ステイと言われる子どもの意思を尊重する指導法が主流となっています。
とはいえ、子どもがテニスを楽しめる練習メニューを組んであげるのは大切!
現役のテニスコーチが、子どもにテニスを教える際のコツや具体的な練習方法をお伝えしていきます。
園児や小学生の子を持つお母さん、お父さん!
この記事を最後まで読めば、子供が楽しくテニスに取り組む姿を見られるはずです。

テニスコーチ歴17年
初級者~上級者まで幅広く指導した経験や知識を配信
テニやろ(@tenigoto6011)
子供へのテニスの教え方のコツ
お子さんとテニスをする際の教え方のコツは、3つです。
- 子どもの意思を尊重する
- 打ち方を強制しない
- ラリーや試合をたくさんする
子供の吸収する能力は、僕ら大人が考えている以上に柔軟ですぐ身につきます。
可能性しかない子どもに、大人の考え方や打ち方を押し付けてしまうのは、ナンセンス!
事実、子どもへのテニスの指導は「矯正」ではなく「意思の尊重」が、世界基準であり主流です。
よって、子供の可能性を広げるようにサポートすることが、自宅でテニスをするときの最大の教え方です!
それぞれ、詳しく解説しますので、参考にしてください。
教え方のコツ①子供を尊重する
- 否定ではなく肯定する
- 何かをやろうとしてる時は見守る
- 子どもの悩みは一緒に考える
子供が自分の意志でなにかにトライする好奇心は、最も上達スピードをはやめます。
逆に、頭ごなしに指導したり大人の考えを押し付けた場合は、モチベーション低下につながり、上達もしません。
実際に僕が体験した実例をもとに、子どもの意思を尊重するコツをお伝えします。
実例①テニス歴1年の女の子
全然ボールに当たらない女の子は、どこかで習った打ち方で、一生懸命ラケットを振っていました。
「打ち方は気にしないでいいから、思うようにやってみなよ」
こういうと、女の子はラケットを極限まで短く持って、少しずつボールに当たるようになったのです。
打ち方ではなくボールに当てることを最善に考え、自分で行動したことで、本来のその子に合った体の動きができたのです。
実は、続きがあって、フォームを気にしていた時よりも、自然にラケットが振れていました。
繰り返し、上手くいかないような場面に出くわした時は、提案をしてあげて、子ども自身で考える環境を作ってあげましょう。
実例②テニス歴3年の男の子
試合が好きすぎて、負けるとめちゃくちゃ悔しがる男の子。
ある時、ゲームで負けた際に、悔し涙を流しました。
僕「どうやったら試合に勝てたと思う?」
生徒「ネットをしない」
僕「じゃー、ネットしないように考えてみな」
たったこれだけのやり取りで、その子はまだ教えてもいないショットをやり始めたのです。
感情が先立ち、自分がなぜうまくいかないのか、なぜ勝てないのかをうまく考えられない子でした。
だから、考えるための誘導が必要です。
会話の中で「ヒント」を与え、自分なりに考えるためのきっかけを作りましょう。
この子の場合は、まだ教えてもないボレーをやり始めましたが、その後のプレースタイルの基盤になったのは、言うまでもありません。
子どもの性格や体力は違い、正解は無数にあります。
自分なりの正解を見つけさせるのは、子どものことをよく知るお父さん・お母さんが一番ですよね!
教え方のコツ②打ち方は教えない
打ち方を教えなくても、理にかなった打ち方を子ども自身が模索します。
手順は、以下の通り。
- 自由にボールを打たせる
- 結果を共有する(ネット・アウトなど)
- 上手くいく方法を一緒に考える
テニスは、ネットを越してコートに収めるスポーツ。
打ち方は、手段でしかなく、人それぞれにスイングは変わるのです。
特に、子供の場合は、成長過程でスイングが刻々と変化します。
ネットで拾った打ち方を教えてしまうと、子どもが本来持つポテンシャルが、うまく発揮されないことも考えられますね。
失敗を繰り返しながら
「どうやったらうまくいくんだろうね」
「(ネットした場合)ネットを越そうぜ」
とサポートを入れることで、子どもに目的を持たせられます。
打ち方はコーチなどに任せて、まずはその子が本当にやりたいテニスを尊重してあげましょう。
教え方のコツ③ラリーや試合をたくさんする
ラリーや試合を多くすることは、メリットがたくさん!
- 考える力・実行力・発想力を養う
- ゲームのためのスキルが身につく
- やっぱりラリー・試合が一番楽しい
ゲームやラリーをすると、『気づき』や『発見』が多く見つかります。
どうやったらうまくいくのか、どうやったら相手から点数がとれるのかなどの思考が、テニスの上達において最も重要です!
考えたことを実行していくうちに、その子にしかない発想力もうまれますよね。
あと、なんといっても試合は楽しい!
お父さん・お母さんと、ひらすらボールを打ち合っているときの子どもの顔は、素敵ですよ!
楽しければ、好奇心や発想力も生まれ、上達スピードも段違いではやくなります。
テニスの楽しさを伝えられるかが、最大の成果ですね。
子供とテニスをする時の練習方法
子どものポテンシャルを最大限発揮させるには、段階的な練習方法がおすすめです。
- エリアを決めてのラリー
- ネットを挟んでの試合
- 条件を加えた試合
僕が実際にレッスンに取り入れてる練習メニューです。
段階的にメニューを組むことで、その都度、子どもは考え正解に導きます。
コートはもちろん、公園や自宅でもできますので、参考にしてください。
練習方法①狭いエリアで試合

①小さいエリアの枠を作成
②ラケットは振らずにワンバウンドで試合
③ネットは使用しない
幼稚園生でもできる練習内容で、テニスの経験がある子でもウォーミングアップでできる簡易的な練習方法です。
ラケットはボール付きのように目の前に置いておくだけで、試合やラリーを行います。
ネットを使用しないことで、制限をなくし、ラリーをつながりやすくします。
目的・注意点
■力の調節・狙う意識・相手との駆け引き
注意点
■強いボールは禁止
この練習では、試合やラリーとはどういうものかをお子さんに感じてもらうことが大事です。
テニスでまず学ばなければならないのが、打ち方ではなくどんな形・ルールでも良いので試合をし、テニスとはこういうものだということを知ることが重要となります。
練習方法②ネットを挟んで試合

①簡易ネットを用意
②アウトの枠を作成
③ボールに応じてコートの広さを決める
ジュニア用のラケットとボールがあれば、ネットを挟んでの試合も簡単にできます。
レッドボール…ミニラリーのエリア
オレンジボール…コートの4分の3のエリア
グリーンボール…コート1面
小学高学年だからグリーンボールを使わなけれならないというわけではなく、レベルや体格・経験に応じてコートの広さは工夫すると良いです。
テニスコートではなくても、簡易ネットがあれば多目的広場などでもできますので、おすすめです。
目的・注意点
■経験が少ないお子さんでもすぐに試合ができる
■ネットがあることによる工夫や発想力UP
注意点
■叱らない・否定をしない
ネットがあることで、明確にミスというのを実感できてきます。
こうなりますと、どうしても、ネットしてる子には「もっとボールを高くうちなよ」やアウトしてる子には「慎重にやりなよ」などと言ってしまいがちになります。
ですが、本来のテニスの試合では誰の助けも借りられないため、自分で解決していくしかないスポーツです。
お子さんがなにも考えるそぶりがない場合は、どうやったらうまくいくのだろうねという提案をし、考えさせる環境を作り、お子さんがなにか色々と試している状況であればそっと見守ってあげましょう。
練習方法③条件をつけた試合
①ラリー〇回してから試合
②〇回以内でポイントを取る試合
③サーブから試合
スクールなどテニスをやっていてある程度試合の形ができるお子さんに目的をはっきりと与えて、目的を実行するために考えさせる練習方法です。
この記事で紹介しているやり方はあくまで一例です。
決める時は必ずボレーにする。フォアハンドしか使っちゃいけない。など、様々なバリエーションを作ることができますね。
目的・注意点
■ケースに応じた対応力や発想力の向上
注意点
■できないのは当たり前。できた時の喜びを感じてもらえるよう、繰り返しやること。
子供の発想力は本当に様々!例えば、最後は必ずボレーで決めましょう!という条件を出した場合
A君…球出しの時点からボレーの位置にいる
B君…相手が崩れてからボレーに行く
C君…ボレーを使わずに、相手のミスをまつ
など、答えが一つではないことを僕ら大人が教えられます。
条件を加えることで、よりその子は具体的な発想力を養うことができ、将来目指すテニスのヒントを得ることにもつながってきます。
おすすめのテニスグッツは?
お子さんとテニスをやるとなった以上、テニス道具はやっぱり必要になりますよね。
自宅でも子供とテニスができる3つのアイテムを紹介します。
- 子ども用テニスラケット
- 簡易ネット
- コートラインマーカー
子ども用テニスラケット
テニスをするうえでラケットは必須アイテム。
新しいのに替えれば、子どものモチベーションもあがり、さらにテニスが楽しくなります。
価格も2,000円~7,000円前後なので、子どものためにも揃えてあげましょう。
子ども用テニスラケットについては、年齢ごとにおすすめ記事を書いていますので、参考にしてください。
- ジュニアラケット【23インチ】のおすすめ
5歳~8歳・身長110㎝~130㎝のお子様へ - ジュニアラケット【25インチ】のおすすめ
8歳~11歳・身長120㎝~140㎝のお子様へ - ジュニアラケット【26インチ】のおすすめ
9歳~12歳・身長130㎝~150㎝のお子様へ
※年齢は目安。身長を基準に選ぶのがおすすめです。
ジュニア用簡易ネット
※長さ5.5m・高さ1.35m
・持ち運びが楽
・組み立て時間は慣れれば3分
・わざわざテニスコートにいかなくてOK
デメリット
・強風の日は、飛んでしまうことも
肩に背負えるようコンパクトに保管することもでき、場所は取りません。
ご自宅の庭などで、簡易的なテニスコートを作れ、ジュニアには十分なサイズでもありますね。
ただ、強風の際は、ネットが動いてしまったりするので、サイドに重りか何かを置いておくと固定ができ、おすすめです。
コートラインマーカー
※コーナー7×26.5cm 直線/7×35cm
・好きな大きさのコートを作れる
・風でも飛ばされにくい
デメリット
・若干重たさがある
・本数が少なく、ラインとラインの間に隙間ができる
簡易的に、様々な大きさのコートを作れる優れもの。簡易ネットと併用することでオリジナルのコートを作ることができます。
スクールに通われている方なら見たことあるかもいるかと思います。
4本のコーナー型マーカーと12本の直線型マーカーの計16本になっており、直線型のマーカーとマーカーの間を広げることで、大きなコートを作ることも可能です。

ただ、本数が少ないため、しっかりした枠を作りたいという方は、2セット購入もいいかもしれません。
子供とテニスをするときの教え方・練習方法まとめ
子供とテニスを練習する時の教え方や練習方法をもう一度簡単にまとめます。
- 子供の自主性を尊重する
- 打ち方よりもラリーやゲームをする
- 答えではなくサポートをする
- 自宅でやる際もテニスコートが作れる
どんなことでもそうですが、「好き」「楽しい」といった気持ちが、一番の上達の秘訣ですよね。
技術面よりも子供の気持ちに目を向けて、テニスを教えてあげてください。
きっと、さまざまな発見をし、考え、行動する意欲的な子どもの姿に出会えます。
子どもへの伝え方が上達のカギ
子どもには、未来を見たがる子と現実に目を向ける子がいます。
その子に合った伝え方は、子どもの本心を引き出し、親への信頼が増すことで、笑顔が絶えない子になるでしょう。
子どもだけでなく、家族、友人、職場でも、伝え方は、大切ですよね。
伝え方に資格があるのをご存じでしょうか。
僕も、この資格を取得してから、子どもへの指導方針も変わり、同時に子どもの対応の変化も感じています。
下記の記事で、実際に受けた際の感想を書いていますので、参考にしてください。
\以下の記事も参考になります/
コメント